2017年10月

Sun Mon Tue Wed Thi Fri Sat
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
お気軽にお問合せください。
NEWS&CHIPS|国際技術ジャーナリスト、技術アナリスト、メディアコンサルタント津田建二の事業内容~技術・科学分野の取材・執筆(国際技術ジャーナリスト)

取材紀行の最近のブログ記事

台湾は「りゅうきゅう」だった―北京歴史博物館にて

(2012年9月 6日 11:54)

このブログで尖閣諸島問題を議論するつもりはないが、1992年に北京・天津を取材に訪れ休日に北京の歴史博物館を訪れた時のこと。ここで、台湾はかつて「りゅうきゅう」と呼ばれていたことを知った。天安門広場に面した歴史博物館は、隣接する革命博物館と同様、中国4000年の歴史を表す展示物を公開している。この博物館で、竹に書かれた象形文字や、古い壺や陶器などと並んで、ある地図に興味を持った。

 

唐の時代、明、清の時代、中華民国、中華人民共和国、それぞれの時代の地図があった。注目したのは、唐代末(874年~880年)に現在の台湾の形の島が「流求」と表示されていたのである。明らかに「りゅうきゅう」と読めるだろう。これが南宋の時代(1127年~1279年)の地図でもやはり「流求」と呼ばれていた。

 

元の時代(1271年~1368年)の末期の地図(1357~1359年と表示)を見ると、台湾を「瑠求」と呼んでいた。これも日本語で読むと、「りゅうきゅう」と読める。このことから、台湾は琉球王国の一部だったのではないだろうか、という推理が働く。琉球とはもちろん、現在の沖縄のことである。

 

さらに、明の時代の1405~1433年の地図を見ると、大陸の福建省と現在の台湾との海峡が「台湾海峡」と表記されていた。そして明代末期の1644年になって初めて、現在の台湾は「台湾」と呼ばれるようになった。つまり、台湾という名称は江戸時代に入ってから使われている。

 

琉球王国は、その後日本の薩摩藩によって支配され、明治に入り征服された、とされている。薩摩藩が支配していた時、琉球王国は清国にも朝貢していた。つまりは二重に支配されていた。その後、沖縄が日本に組み入れられた時には清の力はなく、日本のものになった。現在の台湾は、すでに台湾と呼ばれており「りゅうきゅう」ではなかったようだ。

 

尖閣諸島は琉球王国に組み入れられていたと言われている。だとするとやはり尖閣諸島は日本のものであり、台湾のものかもしれない。しかし、どのように見ても中国のものではない。今の中国の言い分は、尖閣諸島は台湾のものであり、台湾は中国のものだから、尖閣諸島は中国のものだという、三段論法である。極めて無理がある。しかし、台湾のものと言われると、そうかもしれないような気がする。もちろん、日本のものという論理も間違っていない。この辺りはグレーゾーンになっている。だから尖閣諸島問題が東南アジアで起きている。

(2012/09/06)

「カワイイ」は英語としてもはや普通に使われている

(2012年9月 3日 22:53)

「カワイイ」という言葉が英語としての市民権を得ていることを8月の米国出張でわかった。ロサンゼルスの飛行場で乗り継ぎ便を待っていたら、近くの椅子に座った親子連れの中国人がいて、その赤ちゃんを見て盛んに「カワイイ」を連発しているアメリカ人女性をみた。中国人はきょとんとして、何を言われているのかわからないままにしていると、米国女性は日本人ではなく中国人であることに気がついた。すぐさま、「失礼、とてもキュートだったので」、と言い訳していたが、本人は日本人の赤ちゃんだと思ったのだろう。

 

日本語の「カワイイ」は日本のアニメやコスプレなどを目にした海外の女性が発していたシーンをテレビで見たことがある。日本の「マンガ」は海外でずいぶん受け入れられている。80年代に来日した外国人が東京の電車内を体験し、日本人は電車の中で漫画を読むレベルの低い民族だと述べたというニュースを見たことがある。昔は漫画に理解を示さなかった米国人だったが、2~3年前に行ったサンフランシスコのBarnes & Nobleという書店には漫画コーナーがあるが、そのコーナーで漫画を立ち読みしていたのは米国人だけだった。

 

漫画の持つストーリー性や絵の忠実さやレベルの高さなどが理解されたのだと思う。漫画やアニメなど日本独特の文化が海外にも浸透しているのは事実だ。漫画という言葉も実はMangaという立派な英語になっている。どうやらメードインジャパンは今や工業製品ではなくアニメや漫画などのエンターテインメント商品やサービスが主力になっているのではないだろうか。

 

2005年ごろDesign News Japanの編集業務をしていた時、米国のDesign News編集長と電話会議をよく行った。その時の話の中で米国のDesign Newsは今後Mangaを採り入れたいという。その心は、一目でテーマを表せるからだという。Mangaは米国でももはや子供の読み物ではなくなった。その編集長は米国人のManga作家を見つけ、2ヵ月先の号ではMangaを使った機械エンジニアのストーリーを描いていた。

 

10年以上までの話だが、Nikkei Electronics Asiaの仕事をしていて、香港のスタッフと話をする機会が多かったが、中には日本のキャラクタ商品「キティちゃん」が大好きなスタッフもいた。彼女がバケーションを兼ねて来日した時、どこか行く目的地があるのかと尋ねたら「サンリオピューロランド」へ行くと言い、逆に私はその場所を知らなかった。また、韓国の若い記者と米国で話をしていた時、日本のある俳優(男性)を知っているかと聞かれたが私は知らなかった。日本人の私よりも韓国人の若者の方がよく知っているのである。日本の娯楽文化はアジアでは極めてなじみ深い。

 

もっと日本人は自分の文化に自信を持つべきではないか。カワイイ、ドラえもん、ハローキティ、AKB48など、日本発のオリジナル文化は世界中の心を捉えつつある。日本人が考える以上に、「あなたのビューティフルな国へまた遊びに行きたい」と考えている欧米人、アジア人は多い。この言葉を何人もの人から言われたことか。

2012/09/03

テキサスはジーンズ、シカゴはチノパン、東京のクールビズは?

(2012年8月21日 00:13)

旧暦のお盆を過ぎたというのに、毎日30℃以上の真夏日が続く。所によっては35℃以上の猛暑日に見舞われる都市もある。電力不足が予想されながらも停電という事態は免れている。シンガポールやクアラルンプールのような赤道直下の熱帯地方と比べても東京の方が暑いような気がする。湿気が多いからだろう。

 

最近はクールビズが当たり前になっているため、ネクタイを締めなくても許される時代になったことはたいへんありがたい。ネクタイを締めるだけで体感温度は2~3℃高まる。クールビズファッションは洋装業界から始まり、一般のビジネスマンにまで広がっている。

 

ただし働く環境で涼しければどのような格好でも良いという訳ではない。最低限のマナーともいうべきルールはあろう。その基準は相手に不快な思いをさせないことだろう。男ならきたない毛脛を出してオフィスで仕事することはご法度だろうし、女性ならへそ出しルックはご法度だろう。

 

カジュアルな服装にもルールはあり、このルールは国や地方によって変わる。以前勤めていた外資系出版社の1拠点であるシカゴでは、社内ではノーネクタイでもかまわなかった。普段はノーネクタイの営業担当者でもクライアントのオフィスを訪問する時は背広にネクタイで行く。女性の営業担当者は口紅程度の化粧をしジャケットを羽織って行く。男性のあるパブリッシャーに聞くと、基本的なルールは襟のあるシャツ以上で、ズボンは、ジーンズはダメだがチノパン以上ならOKだと決めている。

 

NIDAY1 012 (580x435).jpg

85~10日滞在したテキサス州では、カーボーイハットにジーンズでもよいという。この地方ではジーンズは正装の一部だからだそうだ。ただし、よれよれのジーンズはダメで、ヒザの出ていない新しいジーンズに限るという。

 

日本の記者会見で驚くことは、丸首のTシャツによれよれのジーパンで来ている記者がいることだ。しかも一流ホテルを使った会見でさえも、このような不快な服装で来る。電力事情が切迫している昨今に、背広にネクタイとは言わないが(自分も講演の講師の時以外はネクタイしない)、せめて他人に不快な思いをさせないという気づかいは必要なのではないだろうか。むしろ、女性記者の方がまともな服装で出席している。記者の基本は情報を得ることだ。相手に不快な思いをさせて情報を十分引き出せるだろうか。

 

昨年この世を去ったスティーブ・ジョブズ氏は丸首にジーンズ姿でプレゼンを行っていた。しかし、彼を見ても不快に思わない。なぜか。ジーンズはきちんとした新しいモノを穿いているからではないだろうか。

 

米国の記者会見にも何度か出席したが、よれよれのジーパンにTシャツといった格好の記者はいない。多くの記者がノーネクタイでもウールのズボンにYシャツあるいはジャケット、といったそれなりの格好で来る。むしろ、米国の記者の方が時と場所、シーンを使い分けた服装をしている。

 

私は決しておしゃれを楽しむ人間ではない。妻から「あなたのようなおしゃれをしない人間は見たことがない」とよく言われる。自分は最低限、相手に不快な思いをさせないような服装をすることだけは心得ている。着る服がわからない場合は、Yシャツにウールのズボンにジャケットを着るか、涼しい季節なら背広にネクタイで済ましてしまう。これなら少なくとも相手は不快な思いをしなくて済むだろうから。

2012/08/21

水族館にゴードン・ムーアさんはじめハイテク関係者が寄付

(2012年8月 1日 21:54)

海外取材で企業や大学を訪問したり、公共施設を訪れたりして気が付くことだが、米国の産業人はずいぶん寄付をしている。米国に西海岸カリフォルニア州シリコンバレーにある名門スタンフォード大学に行くと、ビル・ゲーツ研究所がある。英国のケンブリッジ大学を訪れた時もビル・ゲーツ研究所を見かけた。

シリコンバレーから50kmほど南へ行ったところにモントレーという街があり、今春、モントレーにある水族館を訪れた。水族館の入口には高額の寄付をされた方々の名前があった。その中に、ビル・ゲーツ夫妻はもちろん、ムーアの法則(半導体の集積度は年率2倍で増加すると1965年に発表した経験則)で有名なゴードン・ムーア夫妻、ヒューレット・パッカード社を創設した、ウィリアム・ヒューレット夫妻、デビッド・パッカード夫妻の名を見つけた。


stanford.jpg

スタンフォード大学構内にあるビル・ゲーツコンピュータ科学研究所


montrei.jpg

モントレーの街並み 左側の建物のさらに左側には海が面している。


モントレーはジョン・スタインベックの小説「キャナリー・ロウ(缶詰横丁)」の舞台となった街で、自身もここで暮したことがある。ここはイワシの缶詰(いわゆるオイルサーディン)工場があった場所で、海側に水族館がある。今春、GlobalPress Connections社主催のe-Summit 2012の中日にエクスカーション(遠足)を計画してくれ、モントレーを訪れることになった。

水族館の入口に高額の寄付をした人たちの名前が記されていた。私の知っているハイテク関係者で10万ドル以上高額の寄付をした人たちは、水族館とは無縁の仕事をしてきた人たちだ。半導体の集積度は毎年2倍のペースで高まっていくことを1965年に発表したゴードン・ムーア氏は現在もインテル社の名誉会長である。ヒューレット・パッカード社の二人の創始者はスタンフォード大学にも、名前を刻んだ建物がある。

米国では個人の寄付がこのように至るところに見られるが、日本とは大きく違う。もちろん、億単位の給料をもらう経営者が少ないこともあるが、それだけではない。かつて日本には、「自分が死んだら自分が持っているゴッホの絵も一緒に燃やしてくれ」と言っていた大企業の社長がいた。ゴッホの絵は人類の財産だ。個人の好き勝手にできるものではないはず。なぜ美術館に寄付しようという気持ちが働かなかったのか。

米国では寄付をするとその分、税金を控除されるという仕組みがある。個人が団体に寄付した分を控除することは国家にとって収入が減ることに他ならないから財務省は嫌がる。しかし国民感情としては、自分のお金が社会に有意義に使われることは透明性が高い。税金は役人の給料にもなっており、そのほか何に使われるか不透明だ。水族館や美術館、図書館、学校など公共施設に寄付するのならその分税金を減らせるわけだから、公共施設は財務省の管理内であるし、控除の対象にしてもよいだろうと思うが。

要は、働く人間がモチベーション高く、社会のために働いてくれれば国としても良い訳だろうから、国は寄付による税控除をもっと真剣に考えるべきではないだろうか。米国のように、高額所得者にかける税金が高い国において、寄付控除によって公共施設を教育目的で充実させることは、寄付する人間にとっても満足がいくのではないだろうか。

8月6日からのNI Week

(2012年8月 1日 17:23)

今年は、テキサス州オースチンで開かれるNI Weekに参加することになった。NINational Instruments社の略である。オースチンは、米国の半導体コンソシアムであるSEMATECHがあった街であるし、かつてモトローラやモステック、SRCなど半導体関係の企業やコンソシアムが集まっていた。今でもサムスン電子、SiliconLabsなどの拠点もある。

NIは、もともとソフトウエアを利用したフレキシブルな測定器としてこの業界に参入した。その発想は極めて革新的だ。ソフトウエアと、ハードウエアボードがあれば、パソコンがオシロスコープにもスペクトルアナライザにもなる。NIは当初、Virtual Instrument(仮想測定器)と呼んだ。

ただし、この呼び名は誤解を受けやすい。例えばオシロスコープなら時間軸に対する電圧や電流の波形を表示するが、まるでシミュレーションだけで本当は測定していないようにもとれる。このため、同社はこの呼び名をやめた。その後、データ測定だけではなく、設計、シミュレーション、テストが可能なさらにフレキシブルなLabVIEWと呼ぶ、開発環境をリリース、これが現在同社の大きな原動力になっている。

LabVIEWは、グラフィカルユーザーインターフェースを使って、回路やシステムを組み、組んだ回路を測定・テストする総合的な開発環境である。LabVIEWの開発環境に、グラフィカルプログラミング言語(G言語)とコンパイラやデバッガ、リンカなども統合されているため、グラフィカルなユーザインターフェースを利用してプログラミングしてすぐに結果を知ることが可能だ。例えば、回路図をライブラリからコピペしてプログラミング言語も加えて回路の機能をテストすることができる。

このLabVIEWと、ちょっとしたカスタム設計のハードウエアボードを使えば、ソフトウエアを書き直し、ハードウエア部分もFPGA等のソフトウエアベースの半導体チップで回路構成をし直すだけで、ほとんどすべての機能をフレキシブルに実現できる。例えば、まだ規格が決まらない先端技術の開発などにはピッタリだ。規格がたくさんあってとてもASICのようなハードワイヤードでカスタム半導体回路を起こしきれない、といった開発案件にも対応できる。特に携帯通信規格のLTELTE-Advanced(4G)など、各国で規格や周波数が違う技術にはピッタリだ。

今回、久しぶりに企業の招待での海外出張となる。NIの創業者の一人でありCEOでもある、James Truchard氏は米国のハイテク経営者の中でも尊敬されている経営者の一人だ。話を聞くのがとても楽しみである。