半導体メディアがなぜ潰れたか
2015年4月16日 06:29

電子ジャーナル誌が331日を持って休刊・発行元は解散した。日経BP社が発行していた電子媒体の「日経BP半導体リサーチ」も6月末を持って休刊する。なぜこうも半導体関係の雑誌やメディアが休刊するのだろうか?その答えを分析する。

 

半導体産業は極めて流れが速く、その流れについていけなかった企業が続々脱落している。ここ1年の講演でよく述べていることだが、半導体産業には大きな動向(メガトレンド)が二つある。一つは半導体チップがこれまで想定されていた分野よりももっと広い分野へと使われるようになってきたこと。もう一つは集積回路(IC)の集積度が上がり、極めて複雑になったため、一つの企業が全てをカバーするのではなく、自分の得意な分野にだけ集中するようになったこと。水平分業はその結果である。

 

半導体の使われる分野が極めて広くなったということは、実の多くの顧客をカバーする必要があり、もはや1社で全分野をカバーすることが難しくなった。次の半導体チップがどこの誰がどのようなシステムに使おうとしているのか、これを半導体企業側がつかみ、半導体を使うユーザ企業(OEM)に提案していく。これが現在の世界の半導体企業の勝ち組パターンとなっているが、限られた分野にフォーカスせずにこれはできない。逆にこれができない企業、あるいは何でもできると称している企業は脱落する。

続く

                                                         (2015/04/16)