この週末の報道テレビ番組を見ていたら、あまりにもいい加減なコメントにうんざりした。そう、東芝から技術情報を盗んだ産業スパイの件だ。日本の技術者がアジアの企業に転職したことが即、技術情報の流出という単純な議論は事実を捉えていない。
今回の事件は、東芝のNANDフラッシュの研究データを盗み、ライバル企業の一社であるSK Hynixに提供したことが不正だというもの。逮捕されたのはサンディスクの元社員。サンディスクは東芝と共同でNANDフラッシュメモリを開発し、さらに量産工場にもお互い投資しており、両社の拠点は三重県の四日市の東芝工場内にある。元社員は、サンディスク社員でありながら、パートナーである東芝のサーバーに侵入しデータを不正に入手した。それを韓国のライバル企業であるSK Hynixに提供した。SK Hynixのサーバー内にデータを置いて社内の誰でも見られるようにしたという。
何のために提供したのかは今後の捜査を待たなければわからないが、可能性として考えられることはいくつかある。 (続きはこちらへ)