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NEWS&CHIPS|国際技術ジャーナリスト、技術アナリスト、メディアコンサルタント津田建二の事業内容~技術・科学分野の取材・執筆(国際技術ジャーナリスト)
2014年は成長戦略の結果が問われる年
2014年1月 3日 15:38

新年あけましておめでとうございます。

今年は、アベノミクスの第三の矢である成長戦略が問われる年になります。これまで小泉純一郎元首相の元では「経済特区」がありました。規制を緩和し、できるだけ多くの企業が参加できる自由ビジネスの地域でした。しかし、いつの間にか特区という言葉がなくなりました。

 

経済特区は、規制を緩和するモデル地区を設定し、そこで得られる成果を全国展開し、日本の規制を緩和して自由に参加できる市場を目指すものでした。しかし、いわゆる「役人のアリバイ作り」(特区を期間限定で作ったということだけ)に終わりました。

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安倍首相が本気で日本の経済を成長へ転換させるつもりなら、不要な規制は撤廃すべきなのは言うまでもありませんが、やはりさまざまな抵抗勢力が邪魔している様子が、薬のインターネット販売への規制等から垣間見えます。成長戦略には目標となる数字は出ていますが、どうやって達成するのか、達成するためにはどのような規制緩和が必要なのか、具体性はまだ見えません。ここでも、役人のアリバイ作りに終わらせないためにどうすべきか、という視点が見えません。また、経済特区の「未来」に関しても議論がありません。特区で得られた成果を全国展開することを考慮に入れなくては、日本の復活はあり得ません。

 

これまでの安倍首相の成長戦略はまだ『絵に描いた餅』のレベルです。実現していくためには、例えば、農業は従来の小規模農業ではグローバルな勝負ではできませんし、法人化を進め大規模化でコスト競争力を持たせ、さらに日本の農産物のとびぬけた美味しさを適正な価格で買ってもらうための仕組み作りまで含めた、「会社経営」のセンスが欠かせません。農業を法人化、企業化できるような仕組みを一気に持っていこうとすると反対勢力の抵抗に出会います。だからこそ、特区で成功モデルを作る必要があります。

 

おいしい果物を作るための化学的組成の制御、気まぐれな天候に対してフレキシブルに対応するためのIoTM2M、ワイヤレスセンサネットワークなどの仕組み作りと、ビッグデータ処理などITとの融合も必要になってきます。テクノロジーを使えば低コストでおいしい野菜や果物、肉などを生み出すことができます。ITに必要なエネルギー源を石油に頼らず、太陽、風力、エネルギーハーベスティングなどありとあらゆるテクノロジーを使い、農業に限定したITネットワーク作りが必要になります。

 

温度、湿度、風、時間的変化、植物の葉の湿度、土壌の湿度と温度など農業に欠かせないデータはさまざまあります。これらの相関というよりもビッグデータ解析によって、天気予報データを考慮に入れながら、膨大なデータをフィードフォワード的に予測しながら解析することでおいしい農産物を作り出します。国際競争力が高まることは言うまでもありませんが、得られたノウハウをIT化し、農業コンサルティングビジネスを輸出することさえできます。IBMならやるでしょう。

 

同じようなことが他の産業でも可能です。世界が成長しているのに日本だけが成長していない半導体産業は、まさに同様です。しかし、世界レベルに持ち上げることは可能です。古臭いこれまでのやり方を変え、世界と同じようなやり方に変えればよいのです。国内の半導体産業は、護送船団方式に乗った旧財閥系の企業が中心となっています。半導体ビジネスは子会社が請け負っています。変化の激しい半導体ビジネスでは、旧態依然とした親会社・子会社・孫会社といった企業体質がしみ込んだ旧財閥企業ではもはや対応できません。

 

例えば古い日本では、お客様は神様です。現代の世界では、お客様もパートナーの一人です。つまり、下から目線で顧客を見るとか、上から目線で調達業者を見下したりしてはグローバル競争に決して勝てません。経営判断が遅くなるからです。顧客も下請け業者(サプライチェーン)もパートナーであり、彼らと一緒に同時間を共有しモノを作っているのが世界の勝ち組企業です。低コストで、優れた製品を短期間に生み出すことができるからです。こういった世界のやり方を少しでも見習うためには、国籍、人種、男女、年齢など生まれながらにして決められた属性を認め合うこと、すなわち差別意識をなくすことが最も重要です。

 

つまり、世界の勝ち組企業は、よその国の企業とコラボレーションしながら、モノづくりを行い、世界にモノを供給しています。日本は時代錯誤的にオールジャパンということが今でもあります。日本国内に仲良しクラブを作って、どのようにして海外のコラボチームに勝てるでしょうか。陸上競技で言えば、ジャマイカと米国の共同チームと、オールジャパンが競い合うようなものです。

 

今年も日本を活性化するためのアイデアを提供していきます。日本の復活を望むのは日本企業だけではなく海外企業も同じです。日本が元気を取り戻さなければ世界経済が沈滞するからです。皆様からの活発なご意見、ご議論をお待ちしております。

(2014年元旦)